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中国処世術 アーカイブ

2006年05月22日

他人の悪口を言わない人

中国で生きていく為には「人を見る目」を養わなければばりません。 これは日本でも同じ事ですが、習慣や言葉の違う外国では、人の素振りなどからも「良い人間」か「悪い人間」かを判断する事が大切になってきます。 僕はよく「よく生き延びてるよね」と言われますが、これは全て人に恵まれているからです。 多くの日本人が中国で騙されたというような話をしていますが、僕は「騙された〜」という経験がありません。 なぜか良い人に恵まれてここまでやってこれています。 一応、自分なりにも人を判断する基準というのがありまして、今回からそういった部分をご紹介したいと思い、シリーズでお届けしようと思います。 最初を飾る第一弾として、「他人の悪口を言わない人は信用できない」というのがあります。 日本でもそうでしょうが、特に中国ではこの事は大切です。 中国は、いつ政権が交代してもおかしくないような歴史を繰り返してきた国です。 ある日突然、隣の住人が皇帝になって手の届かないような存在になるような事もありえる国です。 そういった可能性のある国なので、中国人には「自分の身を守る術」が備わっています。 日頃から人付き合いを良くしておき、いざという時にも自分が不利な立場に追い込まれないような人間関係を作ります。 これはウラを返せば、どっちつかずで自分の利益優先で動く人間の代表と言えるでしょう。 今は政権交代など考えられない時代になっています。 しかし、中国人の処世術は昔のまま変わっていません。 その中でも、自分のポジションをしっかりと示す事のできる人間は信頼できると僕は考えています。 人の悪口を聞きながら、その場の空気に同調するだけの人は、いざとなると自分の利益優先で動くでしょう。 悪口ばかり言う人も信用できませんが、悪口を言う人は最初から敵か味方かわかるので、扱いも簡単です。 もっとも見分けにくいのは、「悪口を言わない人間」だと僕は思っています。

2006年05月23日

人を褒めること

中国の人は喜怒哀楽の激しい人が多いように思います。 こういう人達と過ごしていく場合、相手が常に自分に対して「喜」と「楽」の感情を持っていてくれたら、どれだけ過ごしやすいでしょうか? それを可能にするポイントは「褒める」という点にあります。 初対面でも、常に仕事を共にする相手でも、その日に会った最初の瞬間に何でもいいから「褒めて」あげる。 男性の場合はスーツかネクタイが無難ですが、効果が高いのは意外にも「靴」、日本人よりもピカピカの靴に拘ったりします。 女性の場合も同じようにファッション部分を褒めてあげると効果が高いです。 お金持ちの人を相手にする場合でも、一般の人を相手にする場合でも、中国の人にとって「服」というのは、まだまだ重要なアイテムです。
中国人同士の会話を注意して聞いていると「食事」というのが、最重要課題であることに気が付くと思います。 ニーハオの次に出てくるのは「ご飯食べた?」という言葉です。 その次に出てくるのは「持ち物査定」で、「いくらで買ったの?」というのが挨拶から流れる一般的な会話です。 この流れの中に「褒める」一言を忍ばせれば、相手の自分に対する印象も大きく変わってきます。 こういった「人を褒める」という習慣は、日本人にはあまり馴染みがないように思いますが、中国では日本以上に大袈裟に相手を褒めてあげることが後々の人間関係を良くしていきます。

2006年05月24日

名前の呼び方

中国には「一家人」という概念があります。 この「一家人」というのは「身内」を表す言葉です。 最小単位は家族になりますが、仕事や友達関係においても「一家人」という表現は使われ、仲の良い友達や運命を共にする仲間を意味します。 自分がこの「一家人」に加わり、部外者という意識を相手に与えない方法の一つとして、相手を「一家人」内部で使われている呼称で呼ぶという方法があります。
例えば張さんという社長と知り合ったとします。 一般的な日本人は「張先生」「張総経理」と呼ぶと思いますが、一家人内部では「張総」や「張哥」と呼ばれているはずです。 こういった呼称で相手を呼び、親近感を与える事で、部外者という立場から一家人の仲間入りをする事が可能になり、無理も通ると言う訳です。 社内で部下を呼ぶ際にもこの方法は効果的で、苗字の前に「小」を付けて呼んであげる事で、部下も人として認められたという認識を持ち、信頼関係も構築していけるでしょう。 仲良くなれば、なんでもアリというのが中国です。

2006年05月25日

怨まれずに陥れる技

中国では常に意見を主張し合う事が求められます。 自分の意見を主張しないと、取り込まれて相手の好きなようにされてしまいます。 とにかく中国では自己主張を日本よりも強くしなければなりません。 しかし、主張するだけでは意味がありません。 いかに自分の主張を押し通すかが重要になります。 そこで効果を発揮するのが「対比効果」と呼ばれる心理戦です。 仕事でミスをした部下を降格させる場合、先に解雇と言ってから降格を伝えると、解雇を覚悟した部下には「降格で済んで良かった」という印象が残ります。 最悪の状況を先に想定させてから拾い上げてあげると感謝の気持ちを持たれます。
ヤ○ザ社会で殺される筈が小指で済んで良かったという感覚ですね。 この対比効果は、自分の主張を通す場合にとても役立ちます。 中国人はこの方法を熟知しているので、買い物の時に高値を吹っかけてくる訳です。 最初あんな値段からスタートしたんだから、この値段でいいかと納得してしまう人も多いのではないでしょうか? この場合、そのモノが相応の価値かどうかを判断せずに、自然と最初の値段と比較してしまうのが人間です。 理論派には理論で対抗するのが効果的なように、心理戦で来る相手には心理戦が有効です。

2006年05月26日

突然の来社

中国で仕事をしていると、取引先の相手が突然やってくることがあります。 アポイントの予定もないのに突然やってくる業者さん、、、こんな経験ありませんか? こんな時、慌てて対応をして不利な商談となってしまう事もあると思います。 実はコレ、半分ぐらいが「ワザと」やっているのです。 日本人は突然来社されて瞬間的にはムッとしますが、次の瞬間には待たせたら悪いなという考えが頭をよぎってしまいます。 大切な商談であればあるほど事前の準備が必要なのですが、こういった奇襲をする人達はあえて相手の焦りを誘って自分に有利に商談を進めようとするのです。
突然来社されたら準備ができていないのは当たり前、想定外の条件にすらついつい同意してしまいがちです。 そんな時は、外出のアポイントがあると言って逃げてしまいましょう。 1時間だけどうしても外出しなければならない事情を説明して、相手の言いたい事を聞くだけ聞いて結論を出さずに、1時間後に再度来て貰います。 その間に準備を済ませてしまえば問題ありません。 こういった戦法で相手が出てくる場合、往々にして無理な条件をこちらに呑ませようと考えている場合が多いです。 今決めないと納期が間に合わないなどと、自分達に都合の良い決断をさせる方向に話を進めてきますが、こういう時は一呼吸おいて冷静に対応するのが一番です。

2006年05月27日

メモを取ること

実際にメモを取る必要まではないんですが、中国の人と日本の人とでは時間に対する概念が違います。 すぐ行くよっていう時に使う「馬上」という言葉ですが、これを日本人が聞くと30分以内だろうな〜と勝手に解釈してしまいがちです。 ところが中国の人の感覚では、そこまで短い時間ではありません。 「馬上」と言われて一日中待ちぼうけなんて事もザラにあります。 これを防ぐ為には、「馬上」と言わせずに大まかな時間を聞くことが大切です。
これと同じように2−3日後と言われた場合にも正確な日付けを決めるようにした方がいいでしょう。 いつまでに何をするという事を相手にハッキリ認識させる意味でも、ポストイット等に書いて自分の机に貼るという動作をすれば、相手に対してプレッシャーになります。 お前はあの時こう言った、という事を理屈で追い込む為にはメモが有効です。 日本人に対して理詰めで追い込むと嫌なヤツだと思われがちですが、中国の人に対しては理詰めが最も有効です。 そのうち理屈で勝てないと相手が思い込んでしまったら、ハンズフリーで言う事を聞くようになります。

2006年06月05日

バックは明かさない

中国でうまくやって行く為には人脈は欠かせません。 酒の席などで「俺は誰と知り合いだ」という事を言ってる人を見かけますが、これは自分の武器を最初から相手に晒してしまうので、お勧めできない言動です。 とかく中国では、偉い役人や公安関係者やその筋の人と知り合いになると、どうしても自慢したくなりがちですが、少しでも危ない橋を渡ろうと思うのであれば、自分の手駒を晒すべきではありません。 例えて言えば、米ソの緊張状態の最中に活躍したのは諜報部員達です。 相手の武器を必死になって探って、それより高性能な武器を配備する為に努力していたわけです。 相手よりも優位な立場に立つ為に、相手の状況を把握しておくのが大人の喧嘩の仕方です。
これと同じ事は実社会でも言える事で、自分が武器と思っている相手の正体は晒さない方が交渉には有利になります。 バックが誰か判らないほど、相手には手を出しにくくなるというのが、交渉や喧嘩の基本です。 喧嘩をする時に、相手がドスを持ってるのか鉄砲を持ってるのか、最初から判ってれば機関銃で対抗しますよね。 それと同じように相手のバックが公安部長と判っていれば、公安局長を用意されてしまうので、普段から自分の手の内は明かさない方が賢明という事です。 僕もコレまで色々な事をしてきましたが、気を付けてきたのはこの点です。 未だに僕の背景を正確に知っている人は、日本人にも中国人にも誰もいません。

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