鉄公鶏

春の風物詩、柳の胞子が舞い始め、やっと春らしくなってきた北京です。
今日、久しぶりに地下鉄に乗りました。
昨年開通したばかりの10号線はまだちゃんと綺麗なものでしで「北京も都会になったものよのう」
としみじみ感じていると、後方からなにやらチベット仏教のお経のような音楽が。
一瞬車内のTVからの音かと思ったのですが、映像とぜんぜんマッチしていません。
うん、と不思議に感じているとその音楽がだんだん近づいてきます。
さらにボリュームがだんだん大きくなってきたような。。。ここでピンときた。
・・・・あぁ~物乞いですか?
久しぶりに乗った地下鉄ですっかり、その存在を忘れてましたわ。
振り返って見ると盲目の若者とその母親らしきおばちゃんが歌を歌いながらやってきます。
オリンピックを境に北京の物乞い達は一掃されましたが最近になって交差点等で物乞いを見かけるようになってきました。
“臭いモノに蓋をしていた”だけですで、オリンピックが終われば、当然に里帰り現象が始まったというワケでしょうか。。
さて、話を戻しまして。。。
盲目の若者が歌うお経のような歌は路上パフォーマンスだったらお金をもらうどころか石を投げつけられてもおかしくない、そんなレベルです。
しかもやっかいなことにこの若者、アンプ内蔵のスピーカーをぶら下げて、下手な歌を聞きたくない人間にもちゃんと聞かせることができるようにマイクを使っていやがります。
あぁ、うざい。
乗客のほとんどが迷惑そうなそぶりをしていますが中には同情してお金を恵んであげる人もちらほら。
まあ、眼が見えないのは本当だろうし、可愛そうであることもたしかでしょう。
1元やそこら恵んであげてもなんてことはない、と思いましたが。。。が、なのです。
持ってるマイクにスピーカー結構新しく、音質も極めてよろしい。
うっとおしい歌が高音質できっちりと聞きたくもない僕の耳に運ばれて気とります。
【Sugar Heel】でカラオケのアンプ修理係をやっている僕としてはなかなかのモノであります。
つまり、そんなモノを買うことができるそこそこの金持ちなワケです。。。
よく考えてみると電車の端から端まで歌いながら練り歩き、人のよさそうな人を見つけるとじりじり近寄り、ある意味脅迫のように物乞いをする。
適当なところで別の電車に乗り換え同じことを繰り返す。
これを1日やっていたらその上がりは数十元、いやいや下手をすると百元位になるかもしれない。
ってことは月収数千元。。
そこら辺の出稼ぎ労働者より多いワケでして。。。そりゃマイクもスピーカーも良い物使うよね、大事な商売道具なんだから。。
そんなことを考えてしまうとまったくもって恵んであげる気が起きてこない、心狭き僕です。
以前こんな会話をうちの女の子と話をしたところ
「なんで恵んであげないの?鉄公鶏!鬼!」と怒られてしまいました。。
そ~じゃないだろ。。。と思うんだけど。
女の子「店長、ご飯ごちそうして~」 「・・・(無視)」 女の子「店長の鉄公鶏!!」
女の子「店長、ディスコ代出して~」 「・・・(無視)」 女の子「店長の鉄公鶏!!」
女の子たちは僕のことをよく「鉄公鶏」と呼びます。
その名の通り「鉄の雄鶏」ですが、鉄でできているので毛も抜けない。つまり「1毛銭すら出さないケチ」
という意味です。
やれやれです。。。


