彼女が北京にやってきたのは23歳の時だった。
ご多分に漏れずレストランの住み込みウェイトレスとして働いた。
168cmのスラっとした彼女は、レストランのウェイトレスにしては魅力的過ぎた。
一週間もしないうちに老板に見そめられ、愛人になるように口説かれていた。
彼女は故郷でも異性にモテた、言い寄る男は数知れず、そんな男には飽きていたが、今自分を口説いているのは北京の金持ちである。
口説かれ慣れていた彼女も悪い気がしなかった。
老板に言い寄られ始めて一ヶ月が過ぎようとしていた頃、彼女は愛人としての条件を受け入れ体を許した。
条件はレストランの高級経理職に就く事、マンションの提供、月々1万元の生活費の支給だった。
今から8年前の北京でこの条件というのは破格であった。
しかし男にはそれぐらいの負担など、大きなものではなかったのである。
昼間のレストラン経営とは別に、男には暗い部分があった。
男は北京生まれの北京人、レストランは夜の仕事の隠れ蓑としての経営であった。
本業である夜の仕事では銃器や覚醒剤の販売などで膨大な利益を上げていた。
400名以上の組織を取り仕切るトップとして男は君臨していた。
ご存知の通り、中国で覚醒剤の販売は極刑に値する。
それを覚悟してでも手を染めたくなる魅力ある商売だった。
覚醒剤販売で利益を上げる男、そんな事は知らない彼女。
膨大な資金を持つ男に囲われ、彼女の生活は急速に変わっていった。